タイトルは全然関係ない。「〇〇学者」になる前に十全な知的好奇心を備えた人間でいたい、とか半年前くらいまで言ってた気がするのだが、今では全くそう思わない。どういうことか。①まず「〇〇学」なるものへの認識が変わった。「〇〇学」というのは、「領域」とか「分野」みたいな二次元平面的な比喩で例えられるような静態的な存在ではなくて、複雑な現実を切り取るための身体技法のようなものなのだと遅まきながら体感した。②現実は複雑すぎるので、特定の身体技法なしに立ち向かうとめまいがする。③したがって、現実を解釈したいのであれば〇〇学は必要である。というか、繰り返しになるが、それなしにやっていくのはむずかしい。むずかしいから仕方なく〇〇学というものができた。そんな程度だろう。裏を返せば特定の学問に寄りかからずに仕事ができる人(柳田國男とかをイメージしている)はどんだけ才気にみちみちてるんだという話である。ていうかモロッコ強いわ。ベルギー戦も勝つんじゃないかと密かに思ってたら本当にそうなってたまげた。スペインには50%くらいの確率で勝つと思ってた。まだまだアムラバトがみられて嬉しいですね。
ワールドカップでみたいイケおじ3選
急に寒くなった
そろそろブログを再開しようかと思う。やはり精神を安定させるためのセラピーとして効果があると感じる。
最近身体のあちこちが硬くなりやすい。特に上半身。頭皮、首筋、肩甲骨周り、胸郭、背筋、脇腹、腰、すべてが朝起きるとガチガチになっている。
これが何を意味しているのかいろいろと考えていた。身体年齢が老化しているのか、緊張しやすい私の性格によるものか、論文のプレッシャーか、将来への不安か…。
しかし、単に寒くなったから、というのが一番穏当な解釈だろう。今週、驚くほど急に寒くなった。一週間前にはまだ冷房をつけていたような気がするのだが、今日はもう暖房が必要な気温にまで下がっている。ここまで急激に気温が変わったら、身体にも変化が生じるのはありえないことではない、というかごく自然なことだろう。
羽根布団を引っ張り出してこよう。
ちょい回復
休養が不十分だと自覚していながら発表などしてしまったので心身ともに疲弊しております。いやー、試練、与えられすぎでは。困難ではなく試練ととらえることができるようになっただけ前進していると思うけども。
そもそも1年くらい休んでいたからいまはまだ社会復帰リハビリ期間なんだよな。それを忘れてはいけない。そしてそのことは周囲にももっと伝えたほうがよい。現在の私は決して元気溌剌ではないということは。
とりあえず現段階では、休みながらできるときにちょちょっと書く、みたいなのが継続できれば十分であろう。「命を削って書く」みたいな表現は恐ろしすぎる。執筆をサステイナブルなものとするためには、執筆はむしろセラピューティックな行為に感じられる必要があるのではないか。
正直、相当疲弊していたのだが、メンタルヘルスにくわしい友人に電話したらとても話が通じて、的確なアドバイスまでくれた。この助けが私の心の奥深くにある固いコリのようなものを確実に、じわりとほぐし、それによって私は再び、少しは明るい方向に考えられるようになった。本当に心強いし感謝しかない。
令和5年4月27日から相続土地国庫帰属制度がスタートします
また修論関係で重要な案内を発見した。
法務省:令和5年4月27日から相続土地国庫帰属制度がスタートします
そうらしいです。
概要は知ってたけどもう来年施行するのか。
管理はどうするんだ? 国がやるのか?と思ったら、利用者が申請時に10年分の土地管理費を納める、とある。10年分では済まないのでは?
実際どれくらいの利用があるか見ものですね。
所有者全員で合意が取れてないとこの制度も使えないということだろうから、あまり利用されないと予想。
今日のニュース
今日はたまたま、修論に関係すると思われる興味深いネットニュースがいろいろ目にとまった。
なぜ日本の郊外には「タダ同然の住宅地」が大量にあるのか…「限界分譲地」という大問題を告発する
「限界分譲地」とかキャッチーなフレーズをつけてくれると論文のマクラに使いやすいのでありがたい
ジモティーで土地を売る | URBANSPRAWL -限界ニュータウン探訪記-
上の筆者のブログに載っていた記事。「よく知られていると思うが、ジモティーには不動産物件が多量に掲載されている」知らなかった。そうなのか。ジモティーでの土地取引。ジモティーってそういう域にまで達してるのか。以前、ジモティーで神社の灯籠を買ったという人に会ったこともある。
運営者からのごあいさつ - 【みんなの0円物件】無償譲渡物件の不動産マッチング支援サイト
資産価値のない不動産の取引事業ってあるんだなあ
都市を「女性視点」で捉え直す:フェミニスト・シティとは何か?
職場での雇用慣行の改善と並行して都市計画のジェンダー中立化をおこなうべき、とひとまずいえるでしょうか。フェミニズム都市研究的なものは現実にも重要だし絶対これから来る分野な気がする(日本以外ではすでに来ているか)。あちきの修論も不平等の観点からの都市研究、urban inequalityというテーマの末席に連なるものになる、というと少しは見栄えがよくなるのかもしれぬ。
どうも、ユーチューバーの松本清張です
手帖は黒革、砂の器
ゼロの焦点、点と線
いつも締め切りギリギリ、戦う相手は黒い霧
どうも、ユーチューバーの松本清張です
今回の動画なんですけれども、日本国有鉄道様にスポンサードされております(拍手の効果音)
題して(デデン)
下山事件とはなんだったのかああああ(ぱふぱふ)
じゃあさっそく、事件現場行ってみましょう(ジャンプして画面上部へ消える)
(画面上部から現れる)はい、ということでやってきましたあああ。足立区五反野でございます。
いや〜なんもないところですね〜。
パーティー
ものすごい長丁場のオンライン・シンポジウムに参加していたら疲弊しました。
学科の会議室みたいなところで、デカいスクリーンとスピーカーを使って他の研究科の知人と一緒に、お菓子などつまみつつ見ていたのですがこれはパーティーみたいで楽しかったですね。
オンライン授業とか学会も同じ部屋から複数人で参戦するのが面白いのかもしれないですね。もはやクラスターですが。
ブライアン・イーノ展の収穫
一週間前からブライアン・イーノのディスコグラフィを聴き直してコンディションを整え、先週金曜日、満を持して京都駅前のイーノのインスタレーション展示に乗り込みました。
私がイーノのインタビューなどを日頃から好き好んで読んでいるためか、期待を大きく裏切られる作品みたいなのはなかったですが、彼の思想がビビッドに感じ取れるよい展示でした。
私見では今回の複数の作品には、ものごとの連続性、動態性、一回性、偶然性、みたいなものを重視する姿勢が通底していました。これは分断の時代に対するイーノなりの態度表明とみてよいのではないでしょうか。
そのなかでも特に連続性というか、グラデーショナルでスパッとカテゴリには切り分けられないもの、みたいなモチーフがとてもフィーチャーされてます。複雑なものを動態の相において、複雑なままとらえよ、というメッセージが、お題目としてではなく、オーディエンスの体験を通じて伝えられるわけです。これはインスタレーションにしかできないことでしょうね。
あるいは横山大観の生々流転が動画化・インスタレーション化したらこんな感じになるのかもしれません。
---------
イーノは70年代にオブリーク・ストラテジーズ(OS)というものを考案しました。これは要は創作tips集で、彼は100個のtipsを作り出し、カードにしました。行き詰まったときに適当に引くとインスピレーションが得られるかも…みたいな効用が期待されているわけです。
今回、物販で箱入りのOSが売られていて、イーノ・ファンとしてはそれが一番興奮したかもしれません。アッ、生のOSだ!9000円だ!ボりすぎやろ!みたいな。しかし一瞬レジに持っていく誘惑に駆られてしまったのも事実です。
そこでせっかくなので自作することにしました。OSの一覧じたいはネットでももちろん見れますし、なんならカード印刷用pdfファイルをつくってくれている人もいます。
私は会場を出るとその足で京都ヨドバシに向かい、厚めのインクジェット紙を買って家に帰りました。そしてpdfを印刷してせっせとカードを裁断しました。その結果がこちらになります。
適当に引いたところ、
Not building a wall but making a brick
Retrace your steps
と書いてあるカードが出ました。大それた妄想に気を取られずに一歩一歩の進捗に着目せよ、今までやってきたことを振り返り自信を得て、今やっていることの意義を深く理解せよ、という感じでしょうか。
同じようなことはよく考えますしこのブログにもなんかそんなような内容を書いた気がします。しかしあと98個あると考えるとよくリストアップしたな、という感じですね。
結局このブログのカテゴリのひとつである「セルフ研究講座」というのも、ものをつくる上で、自分なりのOSみたいなものを蓄積させていきたいという狙いで作ったものです。しかし、イーノのOSが大部分カバーしてくれてる感があります。
---
熊さん「そろそろこの記事も締めたいと思います。最後に一言お願いします」
ご隠居「イーノ、良いのお!」
弔辞
安倍政権下で起きたことを忘れないようにすることが必要だが、覚えていたくない。しかしまとめてくれているツイートを発見した。
安倍元首相は戦後最悪の首相だった。
— 大神 (@ppsh41_1945) July 11, 2022
・公文書改竄
・統計偽装
・有権者買収
・GDPの算出方法を都合よく変更
・西日本豪雨中に酒飲んで懇親会
・円安で物価を上昇させる
・社会保障を縮小
・2度の消費増税
・虚偽答弁を数百回する
・数百億円かけて粗悪布マスク配布#安倍晋三の国葬に反対します
安保法案とか特定秘密保護法もあった。あと自民党総裁の内規を変えて3選した。相模原の大量殺戮に強い抗議のコメントを出さなかった。学術会議の任命問題…は菅政権か。
個人的には戦後最悪だったかどうかの判断は保留しておきたい。良し悪しの基準によっては、その座はお祖父ちゃんに譲ってもいいかもしれない。
---------
ただ、彼が菅や岸田と比べてもこれほどまでに批判され続けているのは、日本社会の価値観のバックラッシュをもっともよく体現した政治家だからだろう。官房長官時代のジェンダーバッシングから(あるいはもっと前から)安倍「美しい国」晋三はまさしく反動路線をひた走った。
そして彼を総裁に戴く自民党の政権へのカムバック自体が、再分配の強化やジェンダー平等の実現やナショナリズムの脱構築といった価値観を現状の政治では実現できないということを明らかにしてしまった。これは、リベラルを自認する人々にとっては無力感を増大させる出来事にほかならなかった。
---------
いまの20代はティーンエイジをバックラッシュのなかで過ごさざるを得なかった。人口が減りGDPは停滞しそして(自らが票を投じたわけではない)反動保守政権がやってきた。本当に悲惨だ。
---------
これは余談だが、かつて国会議事堂の裏手にある学校に通っていた。国会議事堂は体育館の4階の剣道場からもっともよく見えた。よりによって剣道というのが最悪だ。剣道は、まさしく第一次安倍政権で改訂された教育基本法によって必修化された。
私は貴重な時間をむやみに重い防具と奇天烈な掛け声と意味不明なポージングによって構成される時代遅れの、竹槍訓練を思い起こさせる競技の練習に費やす羽目になったわけだが、それは窓の向こうの国会で居眠りしている反動老人たちのせいなのだと思うと憤死しそうになった。
私は半ばやけくそで、国会議事堂を真っ二つに切り裂くべく、滑稽な及び腰で窓に向かって剣を振りかざしていた。
雑感
昨日の投稿は狙撃の報に接してすぐに書いたものなんですが、その後の報道で宗教との関連が強いことが明らかになってますね。こうなるとまた話が複雑になってくるな。
ただ、隠岐さや香氏がつぶやいておられるように
今回のテロ事件、民主主義への暴力をただ糾弾するだけでは再発は防げなさそうが気がするので、背景関係の徹底的究明が望ましい。つまり日本社会の政治文化と宗教組織の関係が歴史的、社会学的に分析されて欲しい
— おきさやか(Sayaka OKI) (@okisayaka) July 9, 2022
というのはマジで思いますね。1文目は昨日私が書いたことと近い。
ちなみに隠岐さんは3年前に科学史の集中講義で京大に来ていて、その授業をとっていた。おもしろかったんだけど、内容はほぼ忘れている。とはいえせっかくなので、いま、当時のレポートを見返してみたが、当時の私が何をいいたかったのかよくわからない。
---
烏丸六角にホリーズカフェができてた。23時まで空いている。いいね。
いやはやジャパン
今回の件はどのような社会変化をもたらすんでしょうね。
特に注目すべきはどういうフレーミングが用いられるかでしょうね。テロリズムというふうにいわれれば少なくとも、街頭監視の強化、ある種の言論統制、警察費・防衛費の増大などを正当化する根拠になるでしょうね。
またその前提としての自民党圧勝や一般的信頼の低下ももたらすでしょうね。2日後に野党の議席がどれくらい残っているのでしょうか。
安倍氏への賛否にかかわらずみなを不幸にする出来事だと思いますね。
ただ、それとは別に安倍氏自身が法に抵触すると思われる行為を繰り返していたことは記憶されるべきでしょうね。
しかしそれが原因で襲撃された(しないほうがいいと思いますが)と言い切れるかどうかは微妙な気がします。むしろ安倍氏の逸脱行為と今回の襲撃事件はある種パラレルというか、共通する前提条件から生まれてきたという仮説を試しに考えてみたいと思います。
この仮説をむりやり具体的にすると、政治的な対抗勢力とか社会運動体の弱さというのが共通する条件の一つとして挙げられるのではないかと思います。それによって安倍氏の権力濫用を許す雰囲気ができ、また他方では、何らかの社会運動体に包摂あるいは共感を抱けていたかもしれない人が、一人でどんどん先鋭的になっていってしまった…。みたいな。
まあかなり雑ですが、単に義憤とかテロリズムという以外のフレーミングでこの件を位置づける必要がある気がします。
ある日の寄席
出囃子「インターナショナル」
マルクス「どうもどうもどうも〜、お笑いコンビ『資本主義』でございます」
エンゲルス「その名前でええんか」
マルクス「皆さまが蜂起、政権転覆されますと『社会主義』に改名いたします」
エンゲルス「その先は…ってもう時代遅れやん」
お笑いコンビ「資本主義」のエンゲルスさんが先月、死亡していたことがわかりました。75歳でした。赤坂署によりますと死因は不明とのことです。
ペーパードライバー
ペーパードライバー講習についに申し込んだ。運転怖いけど勇気出した。エラスムス
運転の恐怖って結局、人を轢く怖さだよね。車庫入れとか縦列駐車とか云々よりもまず人を轢いたときどうするかというのが気になる。じゃあ人を轢いたときのシュミレーションすればいいのでは?
ということでググってみた。
これを参考にすると、事故った直後は車を安全な場所に止めること。次の段階で必要なのは救急車を呼ぶ、救命活動をする、停止表示器材を出す、といった作業。
警察に連絡し、被害者との今後のやり取りに備えて(できそうであれば)連絡先を交換、現場の写真をとる。それから保険会社や(レンタカーなら)貸出先にも連絡。
たぶん、深呼吸して気を落ち着かせて、とりあえず救急車呼んで、余裕が少しできたら警察呼ぶというのが王道かと。
これだけでも調べたらだいぶ落ち着きますね。
マルチスピーシーズ・ライフ
大学の近くで指導教員が犬を連れて散歩しているところに偶然遭遇した。
犬を飼っているなんて知らなかった。
犬はめちゃくちゃ反応がよく、私に会うなりいきなり足をよじ登ろうとしてきた。
なんかあの犬とは波長が合いそうな気がした。
人間とはあまり波長が合わない…。
ヒュームとバカボンのパパの意外な共通点
学◯を書くために大学に来たはずなのだが、気がつけば研究室の窓を全開にして5月の涼しい風に吹かれ、ドナルド・フェイゲンを流しながらオリオンビールを飲んでいる。気持ちいい。
それにしても日が長くなりましたなあ。いま6時だけど太陽はいまだに燦々と降り注いでいる。これから沈む気配すら感じられない。デイヴィッド・ヒューム風にいえばきょうの太陽は本当に沈まないのかもしれない。あるいはバカボンのパパ風にいえば西から昇ったばかりなのかもしれない。